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痔核(いぼ痔)は、直腸の内側の粘膜が圧力によって押し出される病気です。
出血や激しい痛み、排便時の痛みなど辛い病気です。

痔核(いぼ痔)とはどんな病気なのか

「痔」は痔疾(じしつ)ともいい、肛門部周辺の静脈が圧迫され血液の流れが滞ることによって発生する疾患の総称です。
痔には「いぼ痔(痔核)」、「切れ痔(裂肛)」、「痔ろう(あな痔)」の3タイプがあります。
その内、約半数程度を占めるのが痔核(いぼ痔)で、切れ痔(裂肛)、痔ろうは1~2割程度です。

ここでは、いぼ痔についてフォーカスしていきます。
まず、いぼ痔はできる場所によって内痔核と外痔核に分かれます。これは、ご存知の方も多いかと思いますが時の出来る場所によって違ってくるということです。
その境界線は、直腸と肛門を隔てる歯状線(しじょうせん)という部分です。ギザギザしたキュっと締まっている奥側です。
そこを境にして直腸側にできたものが「内痔核」、肛門側にできたものが「外痔核」となります。

痔核(いぼ痔)
痔核(いぼ痔)


普通、いぼ痔といった場合には直腸側にできた内痔核のことをさしています。
私達は、便やガスが漏れないように肛門を閉じるときに括約筋(かつやくきん)という筋肉を使います。とは言え、常に力を入れている訳でもありませんので、大便のときにキュっと閉じる力が働くときの筋肉です。
しかしながら、先の説明で常に意識して閉じていないということは、筋肉以外にもお尻を閉じておく機能が必要になって来ます。
つまり、固体(便)、液体(下痢便)、気体(ガス)の全てをもれないように肛門を閉じるには、筋肉だけでは無理だということです。
そこで肛門の内側には、柔らかいクッションの役目をする、ゴムのように柔らかくパッキンの役目をする組織があります。それは、粘膜の奥(下側)にあり、直腸には粘膜で肛門をすき間なくピタッと閉じています。

この粘膜の下の部分には血管や筋線維(きんせんい)がたくさん集まっています。
便秘でイキみ過ぎたりして肛門に負担がかかると、粘膜下部分がうっ血して大きくなり、出血したりします。
痔の症状で出血があるのは、この作用によるものです。
さらに粘膜下部分を支えている組織が老化現象でちぎれたり、支えが緩んで、内部のクッション部分が便を出すときに一緒に肛門の外に飛び出したりします。
これが飛び出している「いぼ痔」です。

痔の分類による特徴と症状

痔の種類 特徴 症状
いぼ痔(痔核) 肛門の血行が悪くなり、毛細血管の一部がうっ血してこぶ状になったもの。
形状がいぼに似ています。直腸と肛門の境界(歯状線)より内側にできたものを「内痔核」、
外側にできたものを「外痔核」といいます。
排便時に血がぽたぽたとたれたり、シャーっと出血するなどの症状があります。
内痔核の場合、痛みがないために出血や痔核が肛門から出てしまうことで初めて気づくことが多い。 外痔核の場合は痛みを伴います。
切れ痔(裂肛) 固い便によって、肛門付近が切れたり裂けたりするもの。男性よりも女性に多い。 出血は紙につく程度ですが、激しい痛みを伴うために排便をガマンして便秘になり、さらに症状を悪化させがち。
痔ろう(あな痔) 肛門の周囲が最近に感染して炎症を起こし、膿を出すおでき状の「ろう管」ができるもの。老年~中年に多く、また男性に多いです。 発熱と肛門周辺の痛みを伴います。治療には手術が必要です。

痔核の症状について

下のような症状が出ている方は、いぼ痔(痔核)の可能性があります。
・排便時に、血が出る。
・排便後、便が出きっていない気がする。
・肛門に違和感がある。
・肛門のまわりにイボがある。

痔と似た症状の病気

痔と似た症状の病気 特徴 症状
大腸がん 痔と最も間違いやすい病気。男性の方がなりやすく、40~60歳代に多い。 便に血がまじる。
便秘や下痢を繰り返す。
残便感がある。
出血量が少なく、便に血がついたり混じる程度。
大腸ポリープ 大腸の粘膜の一部が腫瘍状に隆起する。
大きくなると大腸がんになることも。
血便が出る。異常に細い便が出る。
潰瘍性大腸炎 大腸の粘膜に潰瘍やただれができる病気。
男性は20歳代前半、女性は20歳代後半と若年層に多い。
腹痛、血の混じった下痢。
クローン病 口から肛門までの消化管に潰瘍ができる、繊維化した粘膜の隆起ができる。
20~30歳代での発症が多い。
腹痛、下痢、発熱。
皮膚びらん 肛門内部の炎症の分泌物が肛門周囲に流れ出て、皮膚がただれる病気。 軟便、下痢を頻繁に繰り返す。
虚血性大腸炎 中高年の女性に多く、ストレスや動脈硬化で下行結腸の血流が悪くなることが原因とされる病気。 突然、左側腹部痛がおこり、下痢と下血がおこります。
大腸憩室症 大腸壁が弱くなり、粘膜が腸管外へ袋状に脱出する病気。
ストレスで大腸が強く収縮して大腸内の
内圧が高まることが原因と思われている。
中高年に多い。
腹痛、下痢、便秘、たまに下血を生じる。

痔核の検査・診察について

痔の診察といっても、服を全部脱いだり、脚を大きく開くことはありません。
診察のときの姿勢はほとんどの場合、横向きに寝て、下着を少しずらす程度で横向きに横たわるのが主流です。
ひざ上まで下着を下ろした状態で診察を受けます。

最近ではバスタオルなどをかけてくれる病院も多く、恥ずかしさは以外に感じないものです。
ただし、患部の診察のしやすさや治療上の必要性から、違う姿勢をとることもあります。

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痔の診察方法 特徴
肛門指診 麻酔薬のゼリーを塗った指で、肛門の中を触診します。
肛門鏡を用いた診察 肛門鏡という器具で肛門を押し広げて、痔核の位置や大きさなどを観察します。
直腸鏡を用いた診察 がんやポリープなどが疑われる場合には、直腸鏡という器具を使って直腸の奥(15~20cmくらい)までさらにくわしく診察します。
    

痔核の治療・手術方法について

痔の治療は、大きく分けて「薬物療法」、「手術療法」、「注射療法」があります。
痔の手術は確実な治療方法で永続性がありますが、最近では注射療法などいろいろな治療方法があり、ニーズにあわせて選択できるようになってきています。
早く治療するほど、症状は軽く済みます。痔はガマンしないことが最良の治療方法といえます。

痔の種類 特徴 メリット デメリット
薬物療法 痔(ぢ)の多くは生活習慣による病気です。
うまくお薬を使用し、便通を良くしつつ軟膏をつけることで、症状はかなり改善します。切れ痔の7割は薬物治療で治ります。
切らないで治療が可能です。入院しないで済むので、だれにも気づかれずに治療ができます。 症状が重くなると効果が薄くなります。
手術療法 手術が必要な場合は、重度の内痔核、薬物治療を2~3ヶ月続けても改善が見られない切れ痔、痔ろうの場合です。
ほとんどの痔の手術は15~20分で終わり、長期入院は稀です。
ほとんどの痔の症状の改善が期待できます。 症状によっては入院が必要になる場合も。日帰り手術とはいえ、自宅での安静が必要になります。
注射療法
(ジオン注射)
中から脱出しているいぼ痔(痔核)に極細の針でお薬を注入し、イボが出てこなくなる大きさまで小さくする治療法です 肛門の痛みを感じない部分に注射するので、 痛みが少ない。

日常生活への早期復帰が期待できます。また、保険が使えます。

手術より、再発の可能性がわずかに高い。

痔核の術後

午前中に手術をすれば昼には帰宅できます。
手術翌日からシャワー可、翌々日から入浴が可能です。
手術後に強い痛みがあるとき、排便時に紙に3cmほどの血がついた時、それ以上にポタポタと出血したときは、病院にすぐ連絡するようにしましょう。
日帰り手術とはいえ、手術後2~3日は安静が必要です。

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